環境のソリューション？赤単バーンデッキの解説

GP静岡まで残り一週間、今週末のGPTの結果が本戦のメタゲームに大きな影響を与えることは疑いようがありません。
そして今日行われたGPT千葉の結果は驚くべきものだと言えるでしょう。
ヒバリ、フェアリー、緑ビートダウン系デッキの3つ巴だと言われている現在のスタンダードで赤単バーンが優勝したのです。
しかも優勝しただけではなくTOP8に3人を送りこむ、今回一番の勝ち組デッキでした。
さらに特筆すべきは使用者の名前でしょう。優勝した板東 潤一郎は、「構築は相手の呪文を打ち消し、生物を殲滅し、アドバンテージに差をつけて悠々と勝つことが喜び」
と語るほどのコントロール好きで、同じく今回TOP8に残った昨年の日本代表、秋山 貴志も昨年は一貫してソーラフレアを使い続けていたコントロールが好みのプレイヤーです。
そんな彼らが何故赤単バーンを使ったのか。秋山に聞いたところ、「ヒバリ、フェアリー、エルフの全部に有利だからね」との答えが返ってきました。
これが本当ならまさに赤単こそ現環境のソリューションということになります。
事実、秋山は今回のGPTのTOP8で赤単ミラーマッチ以外は無敗であり、坂東も負け無しでの優勝という結果を残しています。

さて、それではみなさんが一番気になっている実際に使われた赤単のデッキレシピを紹介しましょう。
今回紹介するのは坂東から聞き出した優勝デッキです。
このデッキを含めて近日中にMAGIC DAILY NEWSにTOP8のデッキが全て公開されます。

赤単バーン
4　《モグの狂信者/Mogg Fanatic(10E)》
4　《ケルドの匪賊/Keldon Marauders(PLC)》
4　《ショック/Shock(10E)》
4　《火葬/Incinerate(10E)》
4　《つっかかり/Lash Out(LRW)》
4　《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》
4　《硫黄破/Sulfurous Blast(TSP)》
3　《突然のショック/Sudden Shock(TSP)》
3　《欠片の飛来/Shard Volley(MOR)》
3　《怒鳴りつけ/Browbeat(TSB)》

14　《冠雪の山/Snow-Covered Mountain(CSP)》
4　《ギトゥの宿営地/Ghitu Encampment(10E)》
4　《変わり谷/Mutavault(MOR)》
1　《ケルドの巨石/Keldon Megaliths(FUT)》

サイド
4　《氷結地獄/Cryoclasm(10E)》
3　《なだれ乗り/Avalanche Riders(TSB)》
3　《灰の殉教者/Martyr of Ashes(CSP)》
3　《脅しつけ/Threaten(10E)》
2　《忍び寄るイエティ/Stalking Yeti(CSP)》

以下、簡単な説明。口調が変わります。
4　《モグの狂信者/Mogg Fanatic(10E)》
4　《ケルドの匪賊/Keldon Marauders(PLC)》
クリーチャーは使い捨て用のわずかに8枚。神の怒りや叫び大口がほぼ完全に無駄カードになるのは大きい。
赤単バーンはデッキ構築時点で作り出したアドバンテージで勝つのだ。

4　《ショック/Shock(10E)》
3　《突然のショック/Sudden Shock(TSP)》
ショック7枚。突然のショックは最後に相手のプランを崩壊させる。
フェアリー相手には特に有効に使える場面が多いだろう。

4　《火葬/Incinerate(10E)》
4　《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》
3　《欠片の飛来/Shard Volley(MOR)》
稲妻11枚。特に説明は必要ないだろう。1マナ3点は8枚にしても良いかもしれない。

4　《つっかかり/Lash Out(LRW)》
《変わり谷/Mutavault(MOR)》を代表とするミシュラ土地が溢れている現在のスタンダードで無駄になる可能性は全く無い。
おまけで3点はこのデッキにとっては重い。ビートダウン相手に速度を逆転させる一番のカード。

4　《硫黄破/Sulfurous Blast(TSP)》
フェアリー、キスキン、エルフにとって致命的なカード。硫黄破で倒せないクリーチャーにはこのデッキは弱い。
つまりタルモゴイフやガルガドンが厳しい。最近はタルモゴイフが少ないことが赤単の追い風になっている。

3　《怒鳴りつけ/Browbeat(TSB)》
3マナ5点。今の環境に3マナ4点火力があれば入ることはないだろうが仕方なくといったところか。
個人的には1枚減らして《欠片の飛来/Shard Volley(MOR)》を4にするといいと思う。

4　《ギトゥの宿営地/Ghitu Encampment(10E)》
4　《変わり谷/Mutavault(MOR)》
このデッキの強さを支えている8枚の土地。変わり谷は現スタンダードの主役である。

4　《氷結地獄/Cryoclasm(10E)》
ヒバリ対策。フェアリーは島が3，4枚しか入ってないので入れてはダメだ。
ラブニカが落ちたので以前ほど良くは無いカードだが、メインの火力と素直に入れ替えられるので4枚なのだろう。

3　《なだれ乗り/Avalanche Riders(TSB)》
同キャラでミシュラ土地を割れるし、氷結地獄とからめて相手がヒバリを出すのが2，3ターン遅くなるかもしれない。

3　《灰の殉教者/Martyr of Ashes(CSP)》
硫黄破4枚では足りないよね。3マナで打てるのもいい。

3　《脅しつけ/Threaten(10E)》
赤単最大の弱点、タルモゴイフとガルガドンの対策。
《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer(10E)》=負けを《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer(10E)》=勝ちにできるかもしれない。
2　《忍び寄るイエティ/Stalking Yeti(CSP)》
エルフやキスキン相手の《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu(PLS)》。
新顔の《恨み唸り/Spitebellows(MOR)》を採用してタルモ対策をした方が良いかもしれない。
このカードの使い勝手を詳しく聞いておくべきだった。

GP直前に劇的に現れた赤単バーンデッキ。昨年の世界選手権で赤単ドラゴンストームが優勝したことは記憶に新しい。
またしても赤単が環境を制することになるのか？
それとも「3強」が前評判通りの強さを見せ付けるのか？
誰かがどこかでさらに新しいソリューションを開発しているのか？
GP静岡まで残り1週間を切った！