今度のプロツアー名古屋は個人的に2番目に好きなフォーマットブロック構築!
と言っても僕が出られるわけではないのですが・・・SOM-MBS環境はMO内である程度プレイしていたのでまとめてみます。

1.MBS入る前はどうだったの?
SOMのみで行われていたブロック構築で圧倒的に環境を支配していたのは2種類のプレインズウォーカーに加えてコントロール勝負になったら圧倒的な《決断の手綱/Volition Reins》を使える青白でした。
この青白を中心に《大建築家/Grand Architect》から大技を連打する青単、環境で最高の2枚《槌のコス/Koth of the Hammer》と《カルドーサのフェニックス/Kuldotha Phoenix》を使える赤単、これまた最高の1枚である《荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragon》を中心とした黒単感染デッキが脇を固めるというメタゲームで最終的には固まったという印象です。

2.最初は毒?
MBSのリストが発表されてブロック構築プレイヤーはまず感染デッキの大幅強化を予想しました。MBS発売前にスキジリクスの値段が上がったほどです。《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》、《ファイレクシアの槽母/Phyrexian Vatmother》、《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》がブロック構築を黒一色に染めるのではと恐れられていました。
環境初期の常として今まで実績を残した青白などのデッキも残っていましたが黒単はMO最初の週でかなりの成績を残します。

サンプルデッキ
黒単 http://www.happymtg.com/decks/view/D002995


3.青黒の台頭
SOM環境がプレインズウォーカーを中心に回っていたので当然新しいプレインズウォーカーである《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》は注目されていました。
スタンダードで《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》デッキが使われたこともあり、ブロック構築でも同様のデッキが一定の支持を集めます。しかし、青黒の本命はもう一つの新しい神話レアを使ったデッキでした。
《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》、タイタンのあるスタンダードでは見向きもされないカードですがブロック構築では圧倒的なアドバンテージで場を支配します。
黒単と2種類の青黒を中心にしばらくメタゲームは固定されます。環境を激変させる次のデッキの登場までは。

サンプルデッキ
テゼレット http://www.happymtg.com/decks/view/D003061
青黒コントロール http://www.happymtg.com/decks/view/D003026

4.白単旋風
3/17が始まりの日だった。この日Black_Cragというプレイヤーが4-0した白単アーティファクトビートダウンは値段が極めて安く組めることからも翌日以降少しずつ増え始め環境を大きく変化させていきました。

サンプルデッキ
「最初の」白単 http://www.happymtg.com/decks/view/D003087

スピードについていけないテゼレットが姿を消し、白単、青黒コントロール、黒単感染が新たなtier1として確立されつつあった。しかし白単は他の2つにやや有利なデッキであり少しずつ勢力は拡大していくことになります。

白単アーティファクト http://www.happymtg.com/decks/view/D003112

5.赤単の復活
MBS後も《オキシド峠の英雄/Hero of Oxid Ridge》と《ゴブリンの戦煽り/Goblin Wardriver》をコス、フェニックスの新たなパートナーに迎えた赤単は一定の勢力を保っていましたがメタゲームの中心にはなりきれませんでした。
しかし白単が増え青黒コントロールが減少してSOM時代のようなBigredが白単のアンチとしてメタゲームの中心に躍り出ることになります。

サンプルデッキ
ビッグレッド http://www.happymtg.com/decks/view/D003153

サイドボードに《核への投入/Into the Core》まで投入した白単を強く意識した構成。青黒にかなり不利だが3ターン目の《槌のコス/Koth of the Hammer》か相手に《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》を引かれない前提の《カルドーサのフェニックス/Kuldotha Phoenix》で勝つこともあります。



6.変化する白単
この頃にはブロック構築の本命になっていた白単は赤単に対して反撃に出ます。《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》のメイン採用枚数が少しずつ増え、メイン4枚投入になるまでそれほど時間はかかりませんでした。
《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》を1枚で除去できるカードは《赤の太陽の頂点/Red Sun’s Zenith》かアーティファクト3枚並べての《感電破/Galvanic Blast》しかなく、どちらにしても4ターン目に登場する《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》を処理することは難しい。さらに《不退転の大天使/Indomitable Archangel》までサイドに用意することで赤単のアンチアーティファクト戦略を逆手に取ろうとするデッキも現れました。

サンプルデッキ
白単アーティファクトその2 http://www.happymtg.com/decks/view/D006160


7.そして現状は?
ここまでがMBS導入から4/20頃までのブロック構築の推移です。
白単アーティファクトが中心という構図は変わっていませんが、この短い間にも様々なデッキが次々と登場しています。特に急激に増えてきた黒単感染とテゼレットのハイブリッドは新しくメタゲームの中心になり得るポテンシャルを秘めていると思います。

サンプルデッキ
感染テゼレット http://www.wizards.com/Magic/Digital/MagicOnlineTourn.aspx?x=mtg/digital/magiconline/tourn/2334473


現状で本当に強いと言えるデッキは白単アーティファクトだけだと考えているので、まだまだ強いデッキを開発する余地はたくさんあると思っています。さらに新たなるファイレクシアが入れば環境は大きく変わるでしょう。プロツアー名古屋にどのようなデッキが登場するのか今から楽しみです。



今回の記事を書くにあたってhappymtg(http://www.happymtg.com/)のデッキサーチとデッキへのリンクを使わせて頂きましたが、デッキ単品へのリンクが用意出来てとてもいい感じでした。

コメント

nophoto
通りすがり
2011年5月2日6:54

MOでブロック構築をやってる者です。
非常にいい記事だと思います。まさにこの通りにメタは推移してきていますし。
この環境は面白いデッキが組める余地がまだまだありますよね。最近lsvが使い始めた青緑t赤のコントロールとか、ちょくちょく勝っている赤緑ランデスとか。

NPH後の環境についての記事なども書いていただけると嬉しいです。

mrgreed
2011年5月2日9:29

PTに出ない私でも限定構築やりたくなる記事ですね。グリッサコンが懐かしくなってしまいました。

DPS
2011年5月2日17:03

>>通りすがりさん
赤緑ランデスは伸びるかもしれませんね。
NPH後の予想は僕のようにデッキビルダーでない人間には難しいですが何か思いついたら書こうと思います。

>>mrgreedさん
グリッサコントロールは初期にある程度結果を残していましたね。現在では見なくなってしまったこともあり触れませんでしたが、DEの全入賞デッキを調べてわずか2ヶ月の間に本当に沢山のデッキが出てきたことに驚きました。

DPS
2011年5月7日21:16

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DPS

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