NPH後のブロック構築
2011年6月9日いよいよプロツアー名古屋が開催されます!ブロック構築の「答え合わせ」がどのような結果になるのか楽しみです。
直前情報としてMO内のブロック構築の状況を取り上げる期間も短いのでデッキ毎に見ていこうと思います。
1.思ったより伸びない黒単感染
MBS環境の末期に最も勝っていたデッキの一つ黒単感染。《鞭打ち悶え/Lashwrithe》、《四肢切断/Dismember》によってさらに強化された・・・はずでしたが最近では見ることすら稀なデッキになってしまいました。ギリギリtier2に入っている程度でしょう。
環境に新しく加わった《急送/Dispatch》、《四肢切断/Dismember》によって《荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragon》を始め対処しにくい強力生物が簡単に1マナで除去されるようになってしまったのが原因だと思われます。
特に《四肢切断/Dismember》は得意にしていた赤単もサイドに採用していることが多く《荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragon》と《ファイレクシアの槽母/Phyrexian Vatmother》、《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》といった面々を1枚で対処されるようになり以前より難しくなってしまいました。
2.アンチ白単として現れ、消えつつある赤黒除去デッキ
NPH後、白単鋼があまりにも圧倒的な成績を残しているのでアンチデッキが現れるのは必然でした。
アドバンテージが取れる2種類の4マナ生物に加えメイン《粉砕/Shatter》まで入れる徹底振りです。青系のコントロールの復権と実は思ったより白単に勝てないという結果からどんどん使用者は減ってきました。おそらく何か劇的な変化がないとプロツアーではあまり見ない形なのではと思います。
土地が26枚、ワームエンジン、《蔵製錬のドラゴン/Hoard-Smelter Dragon》、《執行の悪魔/Carnifex Demon》が4枚程度、《槌のコス/Koth of the Hammer》4枚、後は全部除去という構成が一般的です。
白単相手には序盤から軽い除去を連発してフィニッシャーに繋げば勝ち・・・なのは確かですが、《急送/Dispatch》の存在によってエンジンやドラゴンが対処されてしまうケースが一般的になってしまいました。そして確かにアドバンテージを取ってくれるはずの《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter》、《皮裂き/Skinrender》も《鍛えられた鋼/Tempered Steel》1枚で白ボムと同じ仕事しかしませんし、飛行生物の増量によりブロックができません。
土地が18~20枚しか入っていない上に《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》も対処しなければすぐに負けてしまいます。そしてコスは白単相手にはほぼ機能しません。実は長期戦になると赤黒側が厳しいのです。
3.これぞNPH入りの新デッキ!《出産の殻/Birthing Pod》デッキ
環境に墓地に落ちて効果のある生物、CIP能力を持った生物が多いのでそれをフルに生かそうと登場した新デッキ。
緑黒のグリッサエンジンを中心とした構成で登場しましたが、緑赤、緑白のバージョンも見られるようになりました。
現状では登場初期はともかく目立つ程は勝てずに減少傾向にありますが、特に緑赤、緑白の形は研究度もまだまだ低いと思われるのでPT用に完成させたグループが存在するかもしれません。PTで活躍するかどうか興味深いデッキタイプです。
課題としては青白コントロールがメインから《神への捧げ物/Divine Offering》を大量に取っているので《出産の殻/Birthing Pod》無しでコントロールとどれだけ戦えるか、というポイントでしょう。
4.復活してきた赤単
ここ1週間ほどでかなり増えてきたデッキです。内容としてはMBS時代とあまり変わらず、↓の1位デッキのような構成が標準なようです。《電位の負荷/Volt Charge》を《テゼレットの計略/Tezzeret’s Gambit》にしたタイプも存在します。どちらもコスが出た次のターンに奥義を決められるのが最大の特徴です。コスの奥義発動は勝ちに等しいのは変わりません。(1回だけ負けたことがありますが)
http://www.wizards.com/Magic/Digital/MagicOnlineTourn.aspx?x=mtg/digital/magiconline/tourn/2443335
元々完成度の高いデッキをアップデートしたデッキなのでいじる余地は多くないですが、白単にメインが厳しいのでサイドボードに大量の対策カードを入れている上のレシピは好感が持てます。コントロール相手に3ターン目コスは相変わらず必殺の強さです。
5.SOMオンリー環境の復活?青白コントロール
白単を対策しようと工夫を凝らした中速デッキが色々と出てきた段階でそれらを食うために登場したデッキ。青白コントロールマニアのJB2002製作のバージョンが勝ち始めMO内でもかなり増えてきました。
http://www.wizards.com/Magic/Digital/MagicOnlineTourn.aspx?x=mtg/digital/magiconline/tourn/2443035
フィニッシャーが《解放された者、カーン/Karn Liberated》なのは素晴らしい点で、コントロール対決では無敵のカードです。赤黒のようなデッキは1枚で完封出来る強力さ。《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》4枚は白単相手に弱すぎるので疑問ですが、このデッキの主な意義が白単を対策している(あるいは対策しているつもりのデッキ)に勝つ、という点なのでやむを得ないところでしょう。
白単相手にどこまで対策できるかがポイントになりそうです。
6.圧倒的な成績を残し続ける大本命、白単鋼
NPHが入って後、以前よりさらに凄まじい勢いで勝ち続けている白単鋼デッキ。
昔のようなメイン《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》は姿を消し、ファイレクシアマナ生物を使って高速化してきました。そのファイレクシアマナ生物も普通に考えたら色も合うし真っ先に入る《磁器の軍団兵/Porcelain Legionnaire》4枚から少しずつ2種類の飛行生物《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》、《脊柱の飛行機械/Spined Thopter》に変化していきました。
とにかく軽い飛行で攻めてくるので《危険なマイア/Perilous Myr》などでブロックしにくく、《急送/Dispatch》のおかげで今までは大問題だった《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》も無理なく対策できています。
白ボム、《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》、《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions》、《キマイラ的大群/Chimeric Mass》といったカードでレシピから受ける印象以上にしぶとく攻めが続くデッキです。タフネス1の脆い生物による速攻が決まるか決まらないかというような貧弱なビートダウンではありません。
長期戦になれば鋼が2枚出てしまうことも少なくなく、白ボムのトークン1枚で厳しい攻めを受けることになります。5/5になったちらつきを相手に《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter》のようなカードを抱えて死ぬことも珍しくありません。
7.現状のメタをまとめると
僕の考える現状のブロック構築の状況です
tier1 白単鋼
tier2 青白コントロール、赤単、黒単感染、出産の殻
その他 青黒大建築家テゼレット、赤黒除去、緑単感染、緑赤、黒単コントロール等
白単鋼はスタンダードのcaw-goのように環境を支配しています。
しかし、プロツアー参加者の間では白単が本命とは考えていないプレイヤーが多いようなので、まだMOには登場していないテクニックがかなり存在しているのかもしれません。
僕は全盛期のフェアリーぐらいの数(25~30%ぐらい)が白単鋼を選択すると予想しますが大外れかもしれません。
いずれにせよプロツアー名古屋が楽しみです!できれば観戦に行きたい・・・。
直前情報としてMO内のブロック構築の状況を取り上げる期間も短いのでデッキ毎に見ていこうと思います。
1.思ったより伸びない黒単感染
MBS環境の末期に最も勝っていたデッキの一つ黒単感染。《鞭打ち悶え/Lashwrithe》、《四肢切断/Dismember》によってさらに強化された・・・はずでしたが最近では見ることすら稀なデッキになってしまいました。ギリギリtier2に入っている程度でしょう。
環境に新しく加わった《急送/Dispatch》、《四肢切断/Dismember》によって《荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragon》を始め対処しにくい強力生物が簡単に1マナで除去されるようになってしまったのが原因だと思われます。
特に《四肢切断/Dismember》は得意にしていた赤単もサイドに採用していることが多く《荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragon》と《ファイレクシアの槽母/Phyrexian Vatmother》、《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》といった面々を1枚で対処されるようになり以前より難しくなってしまいました。
2.アンチ白単として現れ、消えつつある赤黒除去デッキ
NPH後、白単鋼があまりにも圧倒的な成績を残しているのでアンチデッキが現れるのは必然でした。
アドバンテージが取れる2種類の4マナ生物に加えメイン《粉砕/Shatter》まで入れる徹底振りです。青系のコントロールの復権と実は思ったより白単に勝てないという結果からどんどん使用者は減ってきました。おそらく何か劇的な変化がないとプロツアーではあまり見ない形なのではと思います。
土地が26枚、ワームエンジン、《蔵製錬のドラゴン/Hoard-Smelter Dragon》、《執行の悪魔/Carnifex Demon》が4枚程度、《槌のコス/Koth of the Hammer》4枚、後は全部除去という構成が一般的です。
白単相手には序盤から軽い除去を連発してフィニッシャーに繋げば勝ち・・・なのは確かですが、《急送/Dispatch》の存在によってエンジンやドラゴンが対処されてしまうケースが一般的になってしまいました。そして確かにアドバンテージを取ってくれるはずの《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter》、《皮裂き/Skinrender》も《鍛えられた鋼/Tempered Steel》1枚で白ボムと同じ仕事しかしませんし、飛行生物の増量によりブロックができません。
土地が18~20枚しか入っていない上に《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》も対処しなければすぐに負けてしまいます。そしてコスは白単相手にはほぼ機能しません。実は長期戦になると赤黒側が厳しいのです。
3.これぞNPH入りの新デッキ!《出産の殻/Birthing Pod》デッキ
環境に墓地に落ちて効果のある生物、CIP能力を持った生物が多いのでそれをフルに生かそうと登場した新デッキ。
緑黒のグリッサエンジンを中心とした構成で登場しましたが、緑赤、緑白のバージョンも見られるようになりました。
現状では登場初期はともかく目立つ程は勝てずに減少傾向にありますが、特に緑赤、緑白の形は研究度もまだまだ低いと思われるのでPT用に完成させたグループが存在するかもしれません。PTで活躍するかどうか興味深いデッキタイプです。
課題としては青白コントロールがメインから《神への捧げ物/Divine Offering》を大量に取っているので《出産の殻/Birthing Pod》無しでコントロールとどれだけ戦えるか、というポイントでしょう。
4.復活してきた赤単
ここ1週間ほどでかなり増えてきたデッキです。内容としてはMBS時代とあまり変わらず、↓の1位デッキのような構成が標準なようです。《電位の負荷/Volt Charge》を《テゼレットの計略/Tezzeret’s Gambit》にしたタイプも存在します。どちらもコスが出た次のターンに奥義を決められるのが最大の特徴です。コスの奥義発動は勝ちに等しいのは変わりません。(1回だけ負けたことがありますが)
http://www.wizards.com/Magic/Digital/MagicOnlineTourn.aspx?x=mtg/digital/magiconline/tourn/2443335
元々完成度の高いデッキをアップデートしたデッキなのでいじる余地は多くないですが、白単にメインが厳しいのでサイドボードに大量の対策カードを入れている上のレシピは好感が持てます。コントロール相手に3ターン目コスは相変わらず必殺の強さです。
5.SOMオンリー環境の復活?青白コントロール
白単を対策しようと工夫を凝らした中速デッキが色々と出てきた段階でそれらを食うために登場したデッキ。青白コントロールマニアのJB2002製作のバージョンが勝ち始めMO内でもかなり増えてきました。
http://www.wizards.com/Magic/Digital/MagicOnlineTourn.aspx?x=mtg/digital/magiconline/tourn/2443035
フィニッシャーが《解放された者、カーン/Karn Liberated》なのは素晴らしい点で、コントロール対決では無敵のカードです。赤黒のようなデッキは1枚で完封出来る強力さ。《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》4枚は白単相手に弱すぎるので疑問ですが、このデッキの主な意義が白単を対策している(あるいは対策しているつもりのデッキ)に勝つ、という点なのでやむを得ないところでしょう。
白単相手にどこまで対策できるかがポイントになりそうです。
6.圧倒的な成績を残し続ける大本命、白単鋼
NPHが入って後、以前よりさらに凄まじい勢いで勝ち続けている白単鋼デッキ。
昔のようなメイン《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》は姿を消し、ファイレクシアマナ生物を使って高速化してきました。そのファイレクシアマナ生物も普通に考えたら色も合うし真っ先に入る《磁器の軍団兵/Porcelain Legionnaire》4枚から少しずつ2種類の飛行生物《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》、《脊柱の飛行機械/Spined Thopter》に変化していきました。
とにかく軽い飛行で攻めてくるので《危険なマイア/Perilous Myr》などでブロックしにくく、《急送/Dispatch》のおかげで今までは大問題だった《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》も無理なく対策できています。
白ボム、《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》、《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions》、《キマイラ的大群/Chimeric Mass》といったカードでレシピから受ける印象以上にしぶとく攻めが続くデッキです。タフネス1の脆い生物による速攻が決まるか決まらないかというような貧弱なビートダウンではありません。
長期戦になれば鋼が2枚出てしまうことも少なくなく、白ボムのトークン1枚で厳しい攻めを受けることになります。5/5になったちらつきを相手に《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter》のようなカードを抱えて死ぬことも珍しくありません。
7.現状のメタをまとめると
僕の考える現状のブロック構築の状況です
tier1 白単鋼
tier2 青白コントロール、赤単、黒単感染、出産の殻
その他 青黒大建築家テゼレット、赤黒除去、緑単感染、緑赤、黒単コントロール等
白単鋼はスタンダードのcaw-goのように環境を支配しています。
しかし、プロツアー参加者の間では白単が本命とは考えていないプレイヤーが多いようなので、まだMOには登場していないテクニックがかなり存在しているのかもしれません。
僕は全盛期のフェアリーぐらいの数(25~30%ぐらい)が白単鋼を選択すると予想しますが大外れかもしれません。
いずれにせよプロツアー名古屋が楽しみです!できれば観戦に行きたい・・・。
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